★ ローテンプサーモ!? ★

エンジンは、燃焼時のピーク温度が2000℃にもなるので、そのままでは焼き付いてしまうため、冷却しないといけないのですが、
エンジンは基本的に金属でできているので、熱膨張することをあらかじめ設計時から考えられています。
適正温度での膨張具合がちょうどいいようにできているので、それよりも温度が高い状態(オーバーヒート)や、低い状態(オーバークール)では、
各部品の大きさが設計通りにはならず、摩擦が増加し、摩耗によってエンジンの寿命が近くなってしまいます。
そこで、適正温度に保つために冷却系統が存在しているのですが、とんでもない部品がちまたに出回っているのです!

水冷式エンジンの冷却系統には、サーモスタットという部品が入っています。
これは、水温が低い時は閉じ、水温が高くなると開くバルブの働きをしています。
このサーモスタットの働きによって、
・エンジンの温度が適正温度よりも低い間は冷却水をラジエータに送らないことによって、早くエンジン温度を上昇させる。
・エンジン温度が適正温度、またはそれ以上の時は冷却水をラジエータに送って、水温を下げ、エンジンを冷却する。
という2つの機能を実現しています。

つまり、エンジンが冷えすぎの時にバルブを閉じて、早くエンジンを暖めるために存在しているのです。
しかし、ちまたに出回っているパーツでは、「ローテンプサーモ」と銘打って「純正より低い温度で開く」ことを売りにしたサーモスタットがあるのです。
信じられませんね。
このローテンプサーモを装着したら、こういうことになります。
・エンジンが冷えすぎの時からどんどん冷却して摩耗を促進。
・エンジンが熱々の時は当然開いているが、ラジエータは同じなので冷却性能は純正と全く同じ。

ありえないっすね。エンジンの寿命を短くするためだけに存在しているパーツのようです。
みなさん、エンジンは大事に、適正温度で乗りましょう。






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